戸塚パルソ通信@メール 第163号
戸塚宿を行く(歴史探訪)
vol082
護良親王伝説を見守った天然記念物益田家のモチノキ
東海道と大山道の分岐点に、かつて存在した名木、神奈川県指定天然記念物・益田家のモチノキ
(2014.07.01撮影)
(2014.07.01撮影)

モチノキとしては稀に見る巨木、旺盛な樹勢を認められていました。
大切に育てられてきたモチノキに異変が始まったのが2016年。所有者が代わり、周辺の木々が伐採されます。
(2016.02.20撮影)

周囲の木々がなくなり、乾燥にさらされるようになったモチノキ。樹勢の弱まりがみられます
(2017.02.26撮影)
道路側に伸びていた枝が違法伐採された後の様子
(2017.12.14撮影)
樹勢の弱まりが進み、乾燥から守るために、例外措置として移植が行われました
(2018.04.20撮影)
夏も近いというのに全く芽吹く様子がないモチノキ
(2019.06.16撮影)
この年の七月、枯死が確認され、完全に伐採されました。
(2019.09.19撮影)
伐採半年後
(2020.03.03撮影)
一年近く空き地だったところに、水素ステーションができました。
(2021.07.14撮影)
現在も営業中です
(2026.06.13撮影)
■益田家のモチノキ
通常は3〜8mほどの大きさになるモチノキ。接着剤であるトリモチの材料になるところからそう呼ばれます。
益田家のモチノキは、通常を遥かに超える18m級の木が2本並ぶという貴重なもので、昭和57年(1982)7月17日に神奈川県指定天然記念物になりました。
戸見知楽会の西村氏によれば、このモチノキは、益田家の方が、護良親王ゆかりの奈良県黒滝村から苗木をいただき植えたものとのこと。石垣には、モチノキに栄養補給するための「仕掛け」があり、その丁寧なお世話が、モチノキの威容を保っていたのです。
ところが2015年頃、モチノキの所有者が変わります。
新しい所有者は、周辺を開発し、天然記念物であるため手がつけられないモチノキを除いて、整地します。
周囲の木々に守られていたモチノキは乾燥が進んだことと、前述のようなきめ細やかな手入れが受けられなくなったことで、急速に弱ってしまいました。
加えて2017年の2月、開発工事の邪魔だとして、勝手に伐採しようとしたことが発覚。大きな枝のほか、幹にも深い傷がつきます。
樹勢はますます弱まり、少しでも乾燥を避けるため、平地(道路面)への移植が行われたものの、効果がみられず、樹勢の回復を果たすことができないまま、2019年7月に、枯死が認定され、完全に伐採されます。
その後、コロナ禍に突入したこともあり、跡地は1年近く放置されますが、現在は水素ステーションとなっています。
■益田家のモチノキ跡地












