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パルちゃんの戸塚めぐり散策!! 

連載コラムVol.2

戸塚駅前の葵の御紋清源院

○戸塚駅の改札から5分。

西口バスセンターのペデストリアンデッキから見ることができる本堂に、葵の御紋が掲げられたお寺が清源院です。
徳川家康の側室であった、お万の方が開かれたお寺であると伝わります。
お万の方という徳川家康の側室は他にも何人かいて、次男の結城秀康の生母や、徳川頼宣(初代紀州藩主)・頼房(初代水戸藩主)の生母も、お万の方というお名前です。

戸塚にはお寺が数多く、戸塚町の近隣だけでも、10ヶ寺が存在します。
その中でも徳川家ゆかりの清源院は、葵の御紋を掲げることを許された格の高いお寺で、ご住職によれば、江戸時代、東海道を行き来する大名行列も、清源院の前では、通常は高く掲げている槍の穂先を納めて進んでいたとか。

○清源院の由緒

さて、清源院の由緒です。
徳川家康の側につかえたお万の方ですが、歳を重ねて、岡津(泉区)に隠居されていました。しかし、元和二年(1616年)、将軍を辞して駿府にいた徳川家康が体調を崩したという話を聞き、お見舞いに駆けつけます。
徳川家康はそれをとても喜び、お万の方に、阿弥陀如来像を下賜されます。

同年、徳川家康が薨去しますと、お万の方は、いただいた阿弥陀如来像を安置する場所を探します。
もともと清源院の地には、獅子王山長円寺というお寺があったのですが、戦国乱世で途絶し、荒れ果てていました。
縁あって跡地にお寺を創建することになったお万の方は、江戸小石川伝通院の白誉聞悦上人の弟子となり、清源院殿という法号をいただいて、自ら新しいお寺を開かれます。
時に元和六年(1620年)であります。
清源院というお寺の名前は、お万の方の法号にちなんでいます。

○火葬されたお万の方

お万の方が亡くなると、ご遺体は火葬されます。
当時は、費用もかかることもあり、特別な方以外は火葬にされることはなかったといいます。
徳川家と深いつながりを持った清源院の重要さを感じさせます。
お万の方の遺骨は遺言によって高野山におさめられました。
浄土宗である清源院のお万の方が他宗(真言宗)の高野山におさめられたのは、今から見れば違和感があるかもしれませんが、当時の高野山は宗旨宗派にこだわらず、日本中の霊が集まる場所と考えられていたとのことです。おおらかな時代だったのですね。

安政五年、お万の方の二百三十三回忌に、本堂裏山の墓地の中に、碑が建てられます。
「当山開基清源院殿尊骸火葬之霊迹也」と刻まれています。

○徳川家康からいただいたご本尊

清源院開基のキッカケになった、お万の方が徳川家康からいただいたご本尊の阿弥陀如来像は「歯吹阿弥陀如来」といいます。
全国でも十七躰しか確認されていないそうで、後白河法皇が安阿弥という仏師に作らせたと伝わります。

現在、ご本尊は毎年一回、お盆のお施餓鬼法要の時だけ開帳されるということで、普段は拝観することはできません。
いつでも拝観することができる阿弥陀如来立像もあります。こちらも平安時代の作で、訳あって上野の寛永寺から移転してこられたという、由緒ある貴重な仏さまです。

清源院のお施餓鬼法要は、毎年7月18日です。
このお施餓鬼、実は数年前まで8月18日に行われていました。旧暦のお盆に近い時期ですね。
ところが、温暖化の影響か、猛暑が続き、参列者の方が体調を崩されたりしたため、やむを得ず、お施餓鬼を一ヶ月前倒しすることにしたのだとか。
「8月は、暑くなりすぎました」と、ご住職がおっしゃいます。
こうした伝統行事も、時代と共に、変化してゆくのですね。

○いつまでも楽しい街で

変わり続ける戸塚の街について、ご住職にご感想を伺いました。
戸塚に生まれ育ち、子どもの頃は、駅前商店街を遊び場にしていたというご住職。
町並みが変わったことに、一抹の寂しさを感じていらっしゃるようです。
「子どもの頃の駅前は、いわゆる“ドブ板”。まるで迷路のように、歩き回ると必ず発見がある街でした。おしゃれではないけれど、人と人とのふれあいがあって、いつも賑わっていました」
と、ふりかえり、
「建物は変わっても、昔と同じような、活気溢れる街で居続けていてほしいですね」
とおっしゃいます。

さらに、法律や営業上の問題があるのかはわかりませんが、と、前置きされた上で 「商店の呼び込みや、色とりどりの看板、道にまで溢れんばかりの商品の山が、商店街の活気の一部だったと思います。ああいう賑やかさを持ち続けていってほしい」 とも。 いつまでも、豊かで楽しい街であってほしいという願いと、受け取らさせていただきました。


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---information---

  • 清源院
  • 神奈川県横浜市戸塚区4907
  • 電話 045-862-9336

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